●2018年度 目標
「社会的起業家として包摂(地域共生社会)の具現化~」
2018年度がいよいよスタート。昨年1月より一般社団法人タウンスペースWAKWAKの事務局長に着任し、今年度(3月理事会決定、5月正式選任)からは業務執行理事兼事務局長として経営者として本格的に働かせていただくことになりました。
また、ありがたいことにこれまでの二つの大学に加え、今年度から関西大学の人権問題研究室の委嘱研究員にも任命していただきました。研究のテーマは「部落差別の実践的課題解決」、よりコアな部分へと携わらせていただきます。
法人の事業面では昨年の着任早々、幸重さん、NHK全国放送さんからお声を頂き「ただいま~と言える子どもの居場所づくり事業」が3カ月にわたる取材を受け「地域魅力化ドキュメントふるさとグングン」にて放映いただきました。また、その続編もこの間取材いただき、4月に第2弾が放映予定となっています。
法人の財政面では、社会的企業のビジネスモデルを創るため2021年をめどに「基金・助成金中心の組織から事業収入中心の組織へ」という目標を掲げ、おかげさまで今年度の決算見込み時点でその方向が一定カタチとなりました。次は、いかにこのカタチを持続的、安定的なものにしていくのかということと社会的企業の運営のノウハウを次の世代へと時間をかけていかに渡していくのかが課題です。
いよいよ本格年度がスタートします。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
(生き方のスタイル)
〇地域:「子どもから高齢者 包摂型のまちづくり」
<一般社団法人タウンスペースWAKWAK 業務執行理事 兼 事務局長>
○社会:「部落差別の実践的課題解決」
<関西大学人権問題研究室 委嘱研究員>
「人間関係トレーニング・ソーシャルワーク」
<平安女学院大学キャンパスソーシャルワーカー>
「コミュニティ活動論」
<薫英学園 大阪人間科学大学社会福祉学科非常勤講師>
〇個人:「環境教育の領域で人と人 人と自然をつなぐエンパワメントの場づくり」
<環境教育事務所COT 主宰>
<それぞれの目標・方針>
■地域 「子どもから高齢者 包摂型のまちづくり」<一般社団法人タウンスペースWAKWAK>
おもしろいもので、組織の経営者になると組織の重点課題がそのまま自らの方向性とリンクします。以下は今年度の事業計画の重点課題。
〇財政基盤の安定化₋持続可能な社会的企業₋
これまで(2012年法人発足から2016年度まで)の「助成金、基金中心の財政基盤」からの変革を図るため「事業収入、寄付金収入中心の財政基盤」への移行を掲げ、一定の財政基盤の安定化が図られてきた。その成果をふまえ、2020年を目途に安定的かつ継続的な事業運営体制を確立する。
〇新たな公共を担う専門性の担保と多職種連携のためのノウハウ
市内外の多職種さまざまなノウハウをもつ人材や大学の研究者、ベテラン世代を発掘し、法人運営はもとより様々な事業への参画につなぐことで多職種連携基盤のノウハウと人脈、新たな公共を担うための専門性の担保を図る。
〇次世代の育成
①重点1 大学との連携
近隣の大学と連携を図る中で大学生をはじめ若年層の人材を発掘し事業への参画につなげながら、まちづくりを活性化していく。
②重点2 若年層の長期的な育成
さまざまな事業を安定的に運営していくため事業担当制やインターンの受け入れ、役割の委譲など経験年数や段階に応じ長期的な若年層の育成を行う。
〇地域が長年培ってきた包摂の文化×地域共生社会の風
富田地域が長年培ってきた包摂の文化を基盤としながら厚労省が掲げている「地域共生社会」の風をつかみ、子ども分野で実践しているセーフティネットの仕組みをまちのあらゆる課題をもつ人たちを支える仕組みへと5か年で進化させる。
①重点1 包括的相談支援体制の確立
制度や教育、地域からこぼれ落ちがちな層や複合的な困難を抱えるケースの解決のために多職種が連携して支援を図る仕組みを構築する。
②重点2 社会貢献プロジェクトの立ち上げ
近隣施設と連携し社会貢献プロジェクトを発足し、制度のはざまに陥る子どもたちの重層的な支援構築をはかる。
③重点3 多職種の連携基盤づくり
縦割りを超え、丸ごとの支援を図っていくために地域、家庭、学校、行政、大学、企業との多職種連携のネットワークを事業の実践を通じて構築する。
●外に発信することで部族全体の一助となること
スプレッド:地元に帰ってからまちづくりに携わる中でいつも考えていたのは、今こうして地元で創っている実践を外に発信することで他の地域にとっての課題解決のための一助となること。それを強く願ってきた。その意味では、視察の受け入れや講演への講師派遣、メディアで発信いただくなど多様な形で実践を発信したい。
■社会 大学‐人の育ちに携わること・研究‐
〇「地 人が長年培ってきた教育、まちづくりの実践を言語化し、発信すること」
新しく今年度から任命いただいた関西大学人権問題研究室の委嘱研究員として、最も行っていきたいのは、「部落差別の実践的課題解決」のため被差別部落という地域が長年培ってきた教育、まちづくりの実践を言語化し発信すること。そこには、現在の「子どもの貧困」をはじめとする様々な社会課題の解決のノウハウが蓄積されていると確信している。
〇人間性:平安女学院大学や大阪人間科学大学で人の育ちの部分に携わらせてもらいながら感じているのは、専門職の要素の一つ、教員や保育士、社会福祉士としての「人間性」の部分を育んでいくこと。
〇当事者性を生かした支援:学生の中には様々な背景を生きてきた学生ともたくさん出会ってきた。そんな学生には当事者性を生かした支援者になっていってくれたらという思いがある。
●チーフとして自らのイノベーション
〇物語を引き継ぎ、次の世代へとつなぐために‐サンダンス‐
一昨年、昨年と多くのつながりの助けの中で2年目のサンダンス(アメリカ先住民ラコタ族の最も過酷といわれる伝統的儀式)を終えることができた。自分自身の人生においてこの部分からの生き方の学びは非常に大きい。次は3年目。そこにはこの間キーワードとして浮かび上がっている「地 人が長年培ってきた物語を引き継ぎ立つ」という言葉がある。
きっと「地 人が長年培ってきたストーリー」に触れることでより深く根を伸ばし深みが生まれるだろうと思う。
法人の経営者である今、組織のイノベーションと自分のイノベーションは確実にリンクしている。
常にマイノリティの側に立ち、地、建物、人の物語を引き継ぎ、新たなものをカタチにしていくために。
2018年度もいよいよスタート。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。